片羽保育園(2008-07)諏訪市

竣工時の現場から   最近の保育園実績   設計余談


2006(平成18)年7月の梅雨前線豪雨災害により
園舎裏崖の土砂が崩落し園舎が被災したことにより
建て替えとなったものである。

急傾斜な崖の下、
間口の狭い敷地の奥に当初L字型に配置されていた園舎を
間口側から I 型に配置することで
狭い敷地の中でなるべく広く園庭を確保しながら
保育室をすべて南面させた。

傾斜した敷地形状を生かし、
入口側の外階段を上りながら
2階へとアプローチするプランとしている。
その途中には調理室の様子を少し高い位置から
見学することが出来る食育デッキが設けられている。

園庭正面に見える部分には
シンボル的にブリックタイルによる丸窓を配した時計台、
丸窓中央には
オリジナルデザインのステンド調のフィルムを設けた。
在園児によって絵タイルが記念制作され、
アプローチ空間に彩りを添えている。
内部空間は木仕上げを基調とした
温かみのある仕上げとなっている。

竣工後、同時期に施工された県の崩落斜面の補強工事も
緑を取り戻した。
風見鶏を載せた時計台のもと
新しい園舎が
子どもたちの成長とともに永く生き続けることを願うものである。

 
 
設計監理  諏訪総合設計株式会社
施工  建築主体 ㈱小泉建築
   電気設備 ㈱電管エンジニアリング
   機械設備 ㈱マツハシ冷熱
主要用途  保育園
敷地面積  2,703.76㎡
建築面積  730.50㎡
延床面積  1,175.74㎡
最高高さ  9.93m
最高軒高  9.73m
構造  鉄筋コンクリート造
工期  2007年6月~2008年4月