市立保育園が民間に移管、移転新築となり、岡谷市では初の幼保連携型認定こども園の計画です。 敷地には岡谷市指定有形文化財天然記念物「神の木」があり、 神の木を生かしてどのように計画するかが最大のポイントとなりました。 神の木の樹齢は定かではないが、千年を超えるそうです。 南北朝時代に後醍醐天皇第八王子宗良(むねなが)親王が 戦いの鉾を休め、 江戸時代には初期中山道の旅人が一時の安らぎを得たといわれています。 ここで過ごす子どもたちにとっては、自然と時の重みを教えてくれる貴重な存在です。 この神の木の隣にテラスを作ってランチを食べたら、きっと一番の楽しみになるのではないか、 そんな発想から園舎の計画は始まりました。 神の木の脇に設けられたテラスを「神の木テラス」と名付け、ランチルーム、遊戯室をひとつながりの空間として設けることで、 常に外部とつながる開放的でアクティビティーを誘発する空間としました。 園舎北側は3歳児以上のエリア、南側を未満児のエリアとし、その要となる位置に職員室と玄関ホールを設けることで、 管理のしやすさと運動能力の違いによる緩やかなエリア分けを行っています。 また、平屋のメリットを生かし、各部で高窓からの採光・通風を取り入れ、それが外観上の特徴にもなっています。 4・5歳児及び2歳児保育室は園児数の変化に柔軟に対応できるよう、移動間仕切りを使い可変性のあるプランになっています。 登降園は玄関ホールからも園庭側からもできるようにし、様々な運用に柔軟に対応できます。 食育デッキから給食を作る様子を見たり、デンと呼ばれる子どもの隠れ家スペースに上って玄関ホールを見下ろしたり、 下にもぐってお店屋さんごっこをしたり、廊下から神の木を仰ぎ見たり、玄関ホールから園庭側のテラスの広がりを見通したり、 様々なつながりと広がりを意識した園舎としました。 |
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