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9月20日、長野市で午後3時から会合があり、いつもは車で行くのですが、
場所が駅のそばということと、電車だと本を読む時間もとれるので電車で行くこととして、
岡谷駅まで歩き、久しぶりに近くの来々軒でお昼を食べようと思いつきました。
ラーメンにしようか、かつ丼にしようかと思いつつ、
一人なのでカウンターに座って注文した後、ふと前を見てみると、
いろいろな香辛料がビンに入っておいてあり、
そのうちの一つのビンの名前に目が釘付けになりました。
「丁香」とあるではないですか。
宝づくし①で紹介した、北斎漫画の中に描かれている丁子です。
その時に紹介した今井の十五社の宝づくしの彫刻にもあり、
再度見てみると、その一番左(写真1、2、3の順に拡大)にあります。
写真1・今井十五社の拝殿の彫刻にみられる宝づくし
写真2・宝づくしの一番左側にみられるのが丁子
写真3・丁子の部分をさらに拡大
生まれて初めて見る丁香、丁子、クローブ。
まさに1センチ程のくぎ(釘)の形です。
江戸時代にはたしてどの様に流通していたのでしょうか。
調べてみれば、正倉院のお宝の中にもあるようで、
お宝というくらいなので一般庶民には見ることも味わうこともなかったのではないでしょうか。
宝づくし③で紹介した の彫刻にも、裏側の左下にみられますが、
も、他の絵を見て想像して作ったのではないでしょうか。
10月29日、さっそく、立川とお宝を愛するメンバー4人で、来々軒の奥で宝づくしの彫刻を並べて鑑賞しながら、若き店主赤羽さんから丁香を少しわけていただいて、口に含んでみました。
さわやかなハーブやシナモン、漢方薬当帰のにおいにも通ずる芳香が口の中いっぱいに広がり、
続いていただいた紹興酒とお料理に舌鼓をうちました。
わけていただいた丁子
愛するコラム読者の方々、来々軒でカウンターに座って是非この現物のお宝を鑑賞してみてください。また、ウィキペディア等でクローブ、丁香を検索してみてください。
最後に、丁子は紋にも用いられているので、その一部を
「日本の家紋 七〇〇〇」(新人物往来社)より抜粋して紹介します。
丁子紋
丁子はフトモモ科の熱帯常緑高木(原産はモルッカ諸島)で、その実を象ったもの。乾燥した実は丁香と呼ばれ古来から有名な生薬・香辛料で、宝尽しの文様にもなっており、それを家紋とした。押小路・松平氏が使用。
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