所長コラム  正博の彫り出しもの(木彫)アラカルト     
其の参・梟(ふくろう)
其の四・鼠(ねずみ)

     「ふ」のつく言葉は富や富貴を呼ぶものとして喜ばれる。特に梟は不苦労(苦労がない)として縁起がよいらしい。彫刻自体はまだ見たことがなく、本だけで知るのみだが、山車に使われていたりするものがあれば、どなたか教えてほしい。

 鼠は、大黒様のおつかいといわれている。又、ねずみ算という様に子孫繁栄の象徴でもある。唐傘をかじる鼠はその家に富貴が訪れる前兆といわれる。もちろん十二支の先頭でもあり、建屋の四面に十二支を三つずつ彫り込んだりする。岡谷の照光寺の水屋は最近できた。諏訪市の大隈流 富士小松工務店 小松金治さんの建築で、彫り物は松川村の中牧一展さんの作品だが、見ごたえがある。写真の床置の俵と鼠は、大隈流四代矢崎善司真之(1859~1925)還暦の作。俵の口を締めている部分が回転する様になっていておもしろい。


  
          俵と鼠(左)、唐傘をかじる鼠(根付)
 

   
俵と鼠(横から撮影)       唐傘をかじる鼠(原寸大)
  




  岡谷市照光寺水屋

見上げると7龍見える。水盤に龍が写る。
(龍の数え方は頭か匹か、単位がわからないので龍とした。)
小松棟梁が何やら水面に龍が泳いでいる夢を見たらしい。

 
  全景(水盤の鉢は山岸卓三氏 作)             天井

 
丑、子、亥                      辰、卯

 
巳、午、未                     酉、申、戌




 おまけ 鼠の中国切手(1984)

 
                                           (2010年9月17日)