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お正月なので、おめでたい宝づくしの彫刻を紹介します。
打出の小槌・・・・願い事をしながらふると願いが叶うという大黒様の持っている小槌。
丁子(ちょうじ)・・・・南洋の果物クローブ、つぼみの時に乾燥したものを丁香といい、
香料、医薬品として珍重された。
隠れ笠・隠れ蓑・・・・かぶったりすると姿が見えなくなる。
見えなくなるといいことがあるのか、反面悪事に使われそうだが・・・。
宝やく(鍵)・・・・お倉の鍵があれば宝物を持ち出せるということか。
金嚢(きんのう)・・・・巾着のことで、銭貸やお守り、香料を入れる。
宝珠(ほうじゅ)・・・・玉ねぎ状の金銀財宝が望む時出せるという不思議な珠。
宝巻(巻物)・・・・昔の絵巻物は宝物。経典や秘伝が書いてあるということか。
珊瑚・・・・海の珊瑚、装飾品に使う。
分銅・・・・計るための道具、宝物の目方を量ったか。
犀角(さいかく)・・・・犀のツノ、長寿の薬、魔除け。
などなど、宝づくしの題材は以上のようなものです。
北斎や尾形光琳の墨画や図案にもあって宝船にのっていたりします。
千両箱もあります
唐辛子のようなものが丁子です
「葛飾北斎 北斎漫画」(芸艸堂発行)より引用
「尾形光琳 光琳図案」(芸艸堂発行)より引用
今井の十五社の拝殿の宝づくしを紹介します。
近在の社寺の彫り物では、宝づくしは大変珍しく貴重である。
左写真は拝殿、右は懸づくりのくぐり舞家。
拝殿正面の大唐破風を二重虹梁として、間に龍、上に宝づくしをおいている。
破風の兎毛どおしは鶴か。
ちなみに本殿は大隈流の今井万蔵重光の文久3年(1863年)の建築です。
宝づくしの左から丁子、隠れ笠、隠れ蓑、金嚢(巾着)、打出の小槌、宝珠、巻物。
拡大写真も載せます。
よく探せば鍵もあるかもしれない。
よく出来ている。
一般には今井の十五社と言われるが、今井の方は、単に十五社だと言っています。
ちなみに十五社というのは建御名方命と妃の八坂刀賣命と
13人の子供(建御名方彦神別命、出早雄命、妻科姫神、守達神、池生神、須波若彦命、
片倉邊命、蓼科神、大縣神、内縣神、外縣神、八杵神、意岐萩命)をおまつりしているが、
岡谷市内には今井、間下、岡谷、三沢、新倉の5社あるようだ。
拝殿は大正7年着工、翌8年に竣工している。
棟梁は不明だが、棟札があるようなので、見せてもらいたいと思う。
良い話題があまりない近頃、十五社にお参りしてお宝の夢を見ましょう!
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