所長コラム  正博の彫り出しもの(木彫)アラカルト     
其の拾・恵比寿大黒⑧ (立川和四郎冨昌)
   

  
立川冨昌の恵比寿大黒(右の恵比寿、左の大黒ともにH98mm W70mm Lは恵比寿70mm大黒80mm)
                        右写真2枚は左から大黒、恵比寿の下面



冨棟、冨昌、湘蘭の3人の恵比寿大黒は大変少なく、
私は各々1組だけ手にとって見させていただいたことがあります。
この冨昌の恵比寿大黒は岡谷市のA.Yさん所有のもの。 ふくよかな顔で、愛らしい。
裏面の銘には花押もついている。
この花押の研究もしなければいけないと思っています。
表は花押のみという彫り物がいくつかあるのです。


さて、冨昌(1782/天明2年~1856/安政3年)は、塩尻の永福寺旭堂の工事中に
境内の大けやきを用材として使おうと世話をやいていた時、
たおれてきた木の下敷きになって亡くなったとのことで、
現地へ行って、いったいどこなのかと、あたりをうろうろしましたが、わかりませんでした。
それ故、この旭堂は未完のままだとのことです。

 
                                   (2013年4月2日)